友達の葬式で飲んだ酒がこの世で一番不味かった話
4年前に地元の友達が自殺した。
結局理由は誰にもわからず、ご遺族の方に聞くわけにもいかず。
何をどう思って自分で命を絶ったのか。
今となってはわからないし多分わかったとしても、俺には意味がわからないかもしれない。
とりあえず帰った、
「やべーなー留年しそうだなこれ、まあ就きたい仕事就けなかったし貯金崩せば半年の留年くらいいいか、いやまあ俺は広告マン()とかクリエイター()とかカッケーのになるし、経歴なんて」
とにかく自分に言い訳ばかりしていた時期ではあった。
青春18切符でトコトコ電車で帰った気がする、旅がてら。なんとも不謹慎である。
式で振舞われたビールが不味いこと不味いこと。
大学卒業間近とはいえガンガンお酒を飲んでいた頃である、不味い酒と美味い酒の分別がつき始める頃でもある。
社会人になる者もならざる者も、結局は酒を飲んでいた。
だからこそわかるこの不味さ。
悲しい時に飲む酒はきっと美味しくない。
「涙を呑みながら酒を飲むなんて味わい深いぜ〜」とかやりたいのなら別だけど。
不味かった。
なぜ、別れの席で酒を嗜むのだろう、とっても不思議だった。
一般的に考えてそんな席で飲み食いするなんて美味しいわけがないし金もかかるし、あんなのいらないと思う。
そこそこ悲しみに暮れて、酒を少しばかり頂き、友達と帰った。
2年ぶりの帰省だった、それ以来地元には帰っていないけど、別にそれが理由で帰ってないわけではない。
"大人になると結婚式か葬式くらいでしか会うことねえよ〜"
ってよく聞くけど、後者はまじ勘弁してほしい。
そもそも死んだ人間にお別れを告げるなんて名目で葬式に行くなんて意味がないとさえ思うようになった。
「付き合い」とか「親族」とか「好きな人」とか、そういうのがあるならアレだが。
家族ぐるみで仲のいいレベルの親友でなければ、ご遺族にありがとうとか世話になったんすよとか話しても「はて?こいつはいったい誰や…?」ってことがほとんどじゃないか?
こういうのがわかるようになると、大人になれるんだろうな〜って思ったけど、
そこそこ大人になって「そんなこともねえな」と思ったので、満員電車の中でシコシコ書きためていた次第です。
我ながら非情かな?とも思ったけど、街中でワケもなくわめき散らしたりずっとブツブツ呟きながら歩いてたり、理由は知らんがそんな人達がいる世の中だ、俺はまだ正常な思考であろう、どうせ飲むなら美味い酒が飲みたいだけである🍺